第0059号 対数の方程式(とりあえず最終回)
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┃ 数学マスターへの道〜少なく覚えてとことん使う〜 ┃
┃ 第0059号 (2007/03/31) ┃
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高校で数学を教えている現役教師が、数学の勉強の仕方、問題の解き方、考
え方についてちょっとしたヒントを毎週お届けします。
年度替わりで毎日会議の連続です。ブログには書いたのですが、来年度(と
いっても明日からもう来年度ですが…)は、1年生の特進クラスの担任をする
ことになってしまいました。その関係で、今まで以上に忙しくなってしまいそ
うなのです(涙)
続きは編集後記で。
初めて読む方もいるかと思いますので、このメルマガでの記号の書き方につ
いての約束事を2、3書いておくことにします。
☆2乗、3乗などの表し方は、^2、^3とします。
(例)xの2乗 ⇒ x^2
☆添え字は_1、_2といった形で書きます。
(例)数列の初項、第2項などは ⇒ a_1、a_2
対数の底a ⇒ log_a x
──Contents─────────────────────────────
1.宿題の解説
2.こんなコメントをいただきました♪
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1.宿題の解説
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【練習問題】次の方程式を解いてください。
(1) log_3 x = 4 ('06 東北工業大)
(2) log_10 x + log_10 5 = 2 ('05 湘南工科大)
(3) log_2 x = log_4 (2x + 3) ('06 千葉工業大)
(4) log_4 (x + 1) + log_(1/2) x = 1 ('05 芝浦工業大)
〔解答〕
(1) log_3 x = 4 ('06 東北工業大)
真数条件より、xの範囲は
x > 0 …(イ)
です。
与えられた方程式を変形して解きます。
log_3 x = 4log_3 3
log_3 x = log_3 3^4
∴ x = 3^4 = 81
このxの値は上の条件(イ)を満たしているので、求める解は
x = 81
~~~~~~
です。
(2) log_10 x + log_10 5 = 2 ('05 湘南工科大)
真数条件より、xの範囲は
x > 0 …(ロ)
です。
与えられた方程式を変形して解きます。
log_10 x + log_10 5 = 2log_10 10
log_10 5x = log_10 10^2
5x = 10^2
5x = 100
∴ x = 20
このxの値は上の条件(ロ)を満たしているので、求める解は
x = 20
~~~~~~
です。
(3) log_2 x = log_4 (2x + 3) ('06 千葉工業大)
真数条件より
x > 0 …(ハ)
3
2x + 3 > 0 より x > - ── …(ニ)
2
(ハ)と(ニ)の両方を満たすxの範囲は
x > 0 …(ホ)
です。
与えられた方程式の底をそろえて、解きます。
log_2 (2x + 3)
log_2 x = ────────
log_2 4
log_2 (2x + 3)
log_2 x = ────────
log_2 2^2
log_2 (2x + 3)
log_2 x = ────────
2
2log_2 x = log_2 (2x + 3)
log_2 x^2 = log_2 (2x + 3)
x^2 = 2x + 3
x^2 - 2x - 3 = 0
(x + 1)(x - 3) = 0
∴ x = -1 , 3
(ホ)より求める解は
x = 3
~~~~~
です。
(4) log_4 (x + 1) + log_(1/2) x = 1 ('05 芝浦工業大)
真数条件より
x + 1 > 0 より x > -1 …(ヘ)
x > 0 …(ト)
(ヘ)と(ト)の両方を満たすxの範囲は
x > 0 …(チ)
となります。
与えられた方程式の底を2にそろえて、解きます。
log_2 (x + 1) log_2 x
─────── + ────── = 1
log_2 4 1
log_2 ──
2
log_2 (x + 1) log_2 x
─────── + ────── = 1
log_2 2^2 log_2 2^(-1)
log_2 (x + 1) log_2 x
─────── + ───── = 1
2 -1
log_2 (x + 1) - 2log_2 x = 2
log_2 (x + 1) = 2log_2 x + 2
log_2 (x + 1) = log_2 x^2 + 2log_2 2
log_2 (x + 1) = log_2 x^2 + log_2 2^2
log_2 (x + 1) = log_2 4x^2
x + 1 = 4x^2
4x^2 = x + 1
4x^2 - x - 1 = 0
1 ± √17
∴ x = ──────
8
(チ)より求める解は
1 + √17
x = ─────
8
~~~~~~~~~~~~~~
です。
いかがでしたでしょうか?難易度は(1)は基本中の基本。(2)は基本。(3)は
ちょっと応用。(4)は応用。といった感じでしょうか。(4)くらいの問題がスラ
スラできるようになったら、だいぶ実力が身についてきた、というところだと
思います。目指す大学が上であればあるほど、要求されることは高くなります
ので、自分の目標に合わせて勉強を進めてください。
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2.こんなコメントをいただきました♪
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下に掲載しているURLのブログではなく、seesaaの方のブログなのですが、
メルマガのバックナンバーを読んだ方から、コメントをいただきました。今度
高校生になるという方です。
(seesaaのブログはこちらです ⇒ http://smi-teacher.seesaa.net/)
春休みに因数分解の宿題が出ていたそうです。しかし、たすきがけが分から
ず、色々調べているうちに、私のブログのバックナンバーにたどり着いたよう
です。それを読んで、たすきがけのやり方がよく分かって感動した、と書いて
くれていました。喜んでくださっている感じがとてもよく表現されているコメ
ントでしたので、そのまま掲載しようかとも思ったのですが、やはり本人の了
承を得ないで載せるのはマズイと思い、控えることにしました。
自慢話めいてちょっと気恥ずかしいのですが、このようなコメントをいただ
くと、このメルマガを発行して良かったとしみじみ思います。他にも、いくつ
かメールでの質問や励ましなどいただくことがあります。メールに関しては、
やや遅れるかもしれませんが、必ず返信するようにしています。(見逃してい
なければ、ですが…)
最近はメルマガの発行が途切れがちになってしまっていますので、とても悩
んでいます。「週2回の発行」は完全にウソになってしまっていますね(汗)
こんな途切れがちのメルマガですが、1人でも多くの方に「数学が分かった!」
と言ってもらいたいと思っていますので、これからも頑張って発行していきた
いと思います。
─…─編集後記─…───…───…───…───…───…───…──
本文の記事にも書きましたが、今までも途切れがちなメルマガなのに、これ
からはさらに忙しくなりそうなので、続けられるのだろうかと不安に思ったり
もしています。そこで、今までのようなボリュームのある内容ではなく、もう
少し軽めの話題にするか、内容を何回かに分けた「連載」のような感じで発行
をしていこうと思っています。まだ、きちんと計画を立てたわけではありませ
んし、今までもこんなことを書いてきたようにも思いますので、正直なところ
自分でもどうなるか分からないのですが、発行できなくなることだけは避けた
いと思っています。また、数学の内容に関しては、積み重ねが必要なところも
ありますので、順番を追ってまとめた解説も、別の形で出せればいいな、とは
思っています。いつになることやら…、という感じですが(苦笑)
明日から新年度です!気合を入れなおして頑張っていこうと思います!
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