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第0045号 対数の基本公式(その3)


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┃  数学マスターへの道〜少なく覚えてとことん使う〜        ┃
┃         第0045号 (2006/09/30)             ┃
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 週2回の発行どころか、月2回の発行になってしまいました(涙)読者の皆様
には大変申し訳なく思うのですが、やはり目の前にいる生徒たちを優先しなけ
ればならないので、お許しください。。。m(_ _)m

 来週もメルマガを発行できるかどうか、ちょっと自信がありません。落ち着
いたらきちんと発行していきたいと思います!


 初めて読む方もいるかと思いますので、このメルマガでの記号の書き方につ
いての約束事を2、3書いておくことにします。


 ☆2乗、3乗などの表し方は、^2、^3とします。
 (例)xの2乗 ⇒ x^2

 ☆添え字は_1、_2といった形で書きます。
 (例)数列の初項、第2項などは ⇒ a_1、a_2



──Contents─────────────────────────────

 1.対数の基本公式(その3)
 2.おすすめの本〜『オール1の落ちこぼれ、教師になる』〜

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  1.対数の基本公式(その3)

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 今回は次の対数の基本公式について、その証明と公式の見方について書くこ
とにします。

┌───────────────┐
│  log_a x^r = r・log_a x  │
└───────────────┘

 まずはこの公式を導いてみたいと思います。

 log_a x = t …(イ)とおくと、対数の定義から

  x = a^t

となります。この両辺をr乗したものを考えると、

  x^r = (a^t)^r

    = a^(tr)

となります。右辺の変形は、前回と同じように指数法則によるものです。この
式をlogを使った形に直すと、

  log_a x^r = tr …(ロ)

となります。(ロ)のtに(イ)の式を代入すると、求める公式

  log_a x^r = r・log_a x

の出来上がりとなります。


 次にこの公式の見方ですが、前回と同じように左辺の式を右辺の式に変形す
るという見方と、右辺の式を左辺の式に変形するという見方の2通りがありま
す。すなわち

 A log_a x^r ⇒ r・log_a x 真数の指数はlogの前に係数として出す
       │  ↑
       └──┘

 B r・log_a x ⇒ log_a x^r logの係数は真数の右肩に指数として
   │           ↑ 乗せられる
   └───────────┘

という2種類の変形の仕方があるということです。実際の使い方については、
前回の公式と併せて、次回のメルマガでお届けします。


 前回、今回と対数の基本公式を紹介しておりますが、この公式を導くのはそ
れほど難しくありませんので、ぜひ自分でも導けるように練習してみてくださ
い。そして、それが数学の勉強にとって大いに役立つと思います。




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  2.おすすめの本〜『オール1の落ちこぼれ、教師になる』〜

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 この『オール1の落ちこぼれ、教師になる (角川文庫)』は、宮本延春(まさはる)さん
という、現役の高校の先生が書かれた本です。ご自身の体験を綴られたものな
のですが、一気に読み、そしてとても感動しました。


 内容については、実際に手に取って読まれた方がいいと思うのですが、勉強
について非常に大切なことが書かれています。そして、「教師」にとって必要
なこと、大切なことも書かれています。私が普段授業で言っていることや、こ
のメルマガで書いていることに相通じるものがあり、「そうだよね、そうなん
だよ」と一人相槌を打ちながら読んでいました(笑)ただ、私の場合は、いか
んせん表現力がないために、うまく伝えられずにいることが多いと思うのです。
私が伝えたくて、でもうまく伝えられずにいることが、この本の中にはたくさ
ん書かれています。


 人は人と出逢うことによって大きく変わることがあります。宮本さんも、落
ちこぼれの勉強嫌いだった時代から、奥様と出逢うことにより、大きく人生が
変わりました。少林寺拳法を通じて奥様と出逢い、奥様と出逢ったことで、大
きな転機となる「あるもの」に巡り合い、それをきっかけとしてさらに多くの
人と出逢うようになっていく…まるで、それまで軋んでうまく動かなかった運
命の歯車が一気に回転し始めたかのようです。


 とは言っても、実際には、紆余曲折があり、悩んだり苦しんだりしながら、
勉強を続けていったのだと思います。それが、現在の「宮本先生」の教師とし
ての考え方の基盤になっているのだと思います。教師を目指している人、勉強
ができなくて悩んでいる人、勉強の意味を見出せず悩んでいる人、そんな多く
の人にとって、本書は助けになったり、ヒントを与えてくれたりするのではな
いかと思います。


 もちろん、勉強との出合いも、本との出合いもタイミングというものがあり
ますから、読んでも大して得るところがないと感じる人もいるかと思います。
できれば、本屋さんなどでパラパラとページをめくってみて、面白そうだと感
じたら買って読んでみてください。ハードカバーの本で、1300円(税別)と決
して安い値段ではありませんから(笑)




─…─編集後記─…───…───…───…───…───…───…──

 ようやく、第0045号を発行することができました。今朝から風邪気味で、何
となく体調が良くありません(涙)10月を乗り切れば、かなりラクになると思
いますので、それまでは現在のような不定期発行になってしまうと思います。
でも、さすがに月2回はマズイので、もう少し発行できるように頑張りたいと
思っています。申し訳ありませんm(_ _)m

─…───…───…───…───…───…───…───…───…─

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 現役高校数学教師が送る「数学マスターへの道」(週2回発行)
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