第0040号 グラフの平行移動と方程式
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┃ 数学マスターへの道〜少なく覚えてとことん使う〜 ┃
┃ 第0040号 (2006/07/21) ┃
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終業式も終わり、夏休みに入りました。補習はありますが、普段よりは時間
的にややゆとりがあります。ただ、学期中にはできなかった仕事をやらなけれ
ばならないので、ぼちぼち忙しいですね。ヒマでヒマで仕方がない、と一度言
ってみたですね(笑)
初めて読む方もいるかと思いますので、このメルマガでの記号の書き方につ
いての約束事を2、3書いておくことにします。
☆2乗、3乗などの表し方は、^2、^3とします。
(例)xの2乗 ⇒ x^2
☆添え字は_1、_2といった形で書きます。
(例)数列の初項、第2項などは ⇒ a_1、a_2
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グラフの平行移動と方程式
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関数のグラフを平行移動した場合に、どんな式になるかについて、最初に理
解をしておくと、後でかなり楽になります。
数学Iで2次関数のグラフを学習するときにも、本当はグラフの平行移動と方
程式の関係をきちんと理解しておくと、いくつかの疑問点を解消することがで
きます。しかし、平行移動と方程式の関係は、やや分かりづらいところがあり、
一般的には避けて教える傾向にあります。教科書も同じです。
確かに分かりづらいところはありますが、それを理解したことによる恩恵の
方が大きいと私は考えています。理解するには、図が必要になりますので、こ
こでは結果とどのように使えるかだけに絞って書きたいと思います。
┌────────────────────────────────┐
│ 関数 y=f(x) のグラフを、x軸方向にp、y軸方向にqだけ平行移動した │
│ グラフの方程式は、 │
│ y-q = f(x-p) │
│ である。 │
└────────────────────────────────┘
これは、平行移動した後の方程式は、平行移動する前の方程式のxのところ
に x-p を、yのところに y-q を代入すれば求められる、ということを言って
います。では、いくつかの関数や図形の方程式について見てみたいと思います。
(1)2次関数
y=ax^2 のグラフをx軸方向にp、y軸方向にqだけ平行移動すると、その方程
式は、
y-q=a(x-p)^2 ⇒ y=a(x-p)^2+q (左辺のqを右辺に移項)
となります。右側の式は、2次関数のグラフをかくときに使われる式ですが、
pのところはマイナスで、qのところはプラスなのはなぜだろう?という疑問が
必ずといってよいほど残ります。これは、上にも書きましたように、左辺にあ
った -q を右辺に移項したために、結果的に符号が変わり +q となっただけの
ことです。ですから、平行移動をしただけなんだということさえ頭に入れてお
けば、そんなに戸惑う必要はないわけです。
ちなみに、y=ax^2 のグラフの頂点は原点にあります。それをx軸方向にp、
y軸方向にqだけ平行移動したわけですから、頂点は(p,q)に移ったことにな
ります。したがって、上の平方完成した式を見れば、グラフの頂点が求められ
る、ということになるわけです。
(2)1次関数(直線の方程式)
y=ax のグラフをx軸方向にp、y軸方向にqだけ平行移動すると、その方程式は、
y-q=a(x-p)
です。
これは、傾きが a で、点(p,q)を通る直線の方程式の公式です。
(3)円の方程式
x^2+y^2=r^2 原点が中心で、半径がrである円
これをx軸方向にp、y軸方向にqだけ平行移動すると、中心が(p,q)で、半径
がrの円の方程式です。
これ以外にも、とにかく平行移動であれば、このやり方が使えますので、応
用範囲は広いと言えます。指数、対数、三角関数、分数関数、無理関数、楕円、
双曲線、…など多くの関数や図形の方程式でも活躍します。ぜひ、平行移動し
た図形の方程式の求め方をマスターしてください。
─…─編集後記─…───…───…───…───…───…───…──
第0038号の編集後記で、河合隼雄先生の『影の現象学』を読もうと思ってい
ます、という話を書きました。それから随分日が経ってしまい、実はそちらは
もう読み終わって、今は『ゲド戦記』を読んでいます(^^;『ゲド戦記』も想
像していたのとは違って、ゲドの苦悩や困難に立ち向かっていけるようになる
までの葛藤などがうまく描かれており、なかなか読み応えがあります。続きを
早く読みたいのですが、メルマガを放り出して読むわけにはいきませんので、
我慢、我慢でした(笑)
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