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第0021号 tanの2倍角の公式


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┃  数学マスターへの道〜少なく覚えてとことん使う〜        ┃
┃         第0021号 (2006/04/19)             ┃
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 最近は忙しいため、以前から通っている囲碁学校に行けずにいます。日本棋
院本院で開催されている囲碁学校で、プロの先生が教えてくださいます。さす
がプロは違うな〜、と思うことしきりです(当然ですけどね)。来月は、行け
るといいな…。



──Contents─────────────────────────────

 1.tanの2倍角の公式
 2.Σの公式(その2)

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  1.tanの2倍角の公式

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 第19号・第20号でtanの加法定理の導き方とその覚え方について書きました。
順番からいって、やはり次は2倍角の公式でしょう。まずは、tanの加法定理
を覚えているか(さっと作れるか)自分でやってみてください。


 どうですか?覚えていましたか?


 tanの2倍角の公式は、以前にsin、cosでやった2倍角の公式の導き方と同
じことをやってやればイイのです。基本的な技術や考え方が身についてくると、
だんだんそれを利用することができるようになってきます。これが、少なく覚
えて、とことん使う極意です(笑)


 さて、tanの加法定理は以下の通りでした。

          tanα + tanβ
  tan(α+β) = ────────
         1 - tanαtanβ

 前にやった方法というのは、2α=α+α と考えて加法定理を使うんでしたよ
ね。したがって、

  tan2α = tan(α+α)

        tanα + tanα
      = ────────
       1 - tanαtanα

        2tanα
      = ──────
       1-tan^2 α

となります。簡単ですね(笑)次回はさらなる応用として、sin、cosの3倍角
の公式にチャレンジしてみることにします!




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  2.Σの公式(その2)

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 今回は残り3つの公式を書きます。導き方などについては、ここでは触れま
せん。大事なのは、前回同様、Σそのものの意味とは別のところで、何らかの
理屈によりこの公式が導かれたということ、そしてその結果だけを覚えてしま
おう、ということです。


【Σの公式(その2)】

 (3) n    1
   Σk^2 = ─n(n+1)(2n+1)
   k=1   6

 (4) n    1
   Σk^3 = ─n^2 (n+1)^2
   k=1   4

 (5) n      1-r^n   r^n -1
   Σr^(k-1) = ──── = ────
   k=1      1-r    r-1

 (5)は通常、等比数列の和の公式として扱い、Σの公式には含みません。で
すが、これも「公式」という形で覚えてしまって、さらにその公式の利用の仕
方をマスターすると、非常に便利になります。今日は、計算や導き方などにつ
いては触れませんので、前回の2つと合わせて、合計5つの公式を覚えること
に専念してください。


 ちなみに、このメルマガでは書きづらかったので避けましたが、(4)の公式
の右辺は、(2)の公式の右辺を2乗したものになっています。そこに気がつけば
覚えやすいと思います。


 (3)の教科書での導き方は、唐突な印象を与える方法であり、なおかつ分か
りづらいものです。『博士の愛した数式』を書かれた小川洋子さんと数学者の
藤原正彦先生との対談『世にも美しい数学入門』では、なるほど〜、と思わせ
るような説明が書かれていました。ただ残念ながら、数学を知らない人にとっ
ては、ちょっと分かりにくいようにも思いました。チャンスがあったら取り上
げたい話題の1つです。少なくとも私は、おお!と感動してしまいました。


博士の愛した数式 (新潮文庫)

世にも美しい数学入門 (ちくまプリマー新書)




─…─編集後記─…───…───…───…───…───…───…──

 今回はすっきり収まったように思います。こんなに短いと、何だか手抜きを
したような気がして落ち着かないのは、貧乏性だからなんでしょうね(笑)
 では、また金曜日に。

─…───…───…───…───…───…───…───…───…─

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