第0005号 問題の考え方(接線の方程式・その1)
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┃ 数学マスターへの道〜少なく覚えてとことん使う〜 ┃
┃ 第0005号 (2006/03/02) ┃
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高校で数学を教えている現役教師が、数学の勉強の仕方、見方、考え方につ
いてちょっとしたヒントを、毎週月・木にお届けします。
合言葉は、
☆少なく覚えて、とことん使う!
☆センスは身につくもの!
です!
──Contents─────────────────────────────
1.問題の考え方(接線の方程式・その1)
2.数学の方言(その2)
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1.問題の考え方(接線の方程式・その1)
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前号で、問題を解くときには、
一、条件から分かることは何か?
一、何が分かれば答えが求まるか?
を考えながら解く練習をしましょう、ということを書きました。今回は、具体
的な問題を扱いながら、どのように考えていくのかを説明したいと思います。
数学IIに、接線の方程式を求める次のような問題があります。微分のちょっと
した応用問題なのですが、やや難しい方に分類される問題です。
┌──────────────────────────────────┐
│ │
│ 問 点(-3,5)から放物線y=x^2-4xに引いた接線の方程式を求めなさい。 │
│ │
└──────────────────────────────────┘
まず、「求めようとしているものは何か?」を考えます。
→当然、「接線の方程式」ですよね。
次に、「何が分かれば接線の方程式が求まるか?」を考えます。接点の座標が
分かっていれば、接線の方程式がすぐに求められることは、この問題の前に学
習しています。実際には、接点のx座標が分かれば、y座標も求められますし、
接線の傾きも求まります。したがって、「何が分かれば」の「何」に当たるの
は、「接点のx座標」となります。
→「接点のx座標」が分かれば「接線の方程式」は求まる!
さて、「接点のx座標はどうやったら求まるか?」これが次の問いかけになり
ます。こうやって、どんどん問題を言い換えていくことが大事です。接点は
放物線上の点ですから、だいぶ問題の条件に近づいてきました。
「どうやったら接点のx座標が求まるか?」
「問題の条件から接点のx座標は求まりそうか?」
という問いかけを自分自身にします。そして、
「問題の条件から分かることは何か?」
という問いかけです。条件として与えられているのは、
(a)放物線の方程式「y=x^2-4x」
(b)点(-3,5)から放物線に接線を引く
この2つです。ここで、「接線の傾きと微分係数」の深〜い関係に思いが行く
かどうかがポイントです。条件(a)の方程式を微分し、接点のx座標を代入する
ことで、微分係数を求めることができます。ここで、与えられた条件とゴール
がつながりました!
つまり、こうです。
┌──────────────────────────────┐
│ 放物線の方程式に接点のx座標を代入し、接点のy座標を求める │
│ ↓ │
│ 放物線の方程式を微分する(導関数を求める) │
│ ↓ │
│ 導関数に接点のx座標を代入し接線の傾きを求める │
│ ↓ │
│ 接点の座標と接線の傾きから、接線の方程式を求める │
└──────────────────────────────┘
見事、つながりました!メデタシ、メデタシ (^^)
ん?ちょっと待ってください!条件(b)はまだ使っていませんよ?それに、
肝心の「接点のx座標」は、まだ分かっていません!
問題の条件に「接点のx座標」は与えられていませんし、条件からすぐに求
められそうもありません。そこで、この「接点のx座標」を文字でおいて、上
で考えた流れに乗って計算をしていくことにしましょう。
長くなりましたので、実際の計算は次回(3月6日)にお送りします。今まで
この問題ができなかったという人は、次回までにぜひチャレンジしてみてくだ
さい。どうしてもできないという場合には、どこまでできてどこからできない
のかを、自分で把握しておいて下さい。自分を知ることも上達の秘訣の一つで
す!
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2.数学の方言(その2)
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数学の方言第2弾は、数学IIの対数で出てくる方言です。
┌──────────┐
│ 両辺の対数をとる │
└──────────┘
対数を「とる」??
これは、標準語に直すと、「両辺の対数の値を求める」となります。特に、
方程式などでは、次のような感じで使います。
○=△ ……………(*)
aを底とする両辺の対数をとると
log a ○=log a △
これを翻訳すると次のようになります。
「(*)の両辺に対して、aを底とした対数の値、log a ○とlog a △を求めて
みると、もともと○と△は同じ値だったのだから、当然対数の値も等しい
よね!ってことで、log a ○=log a △となる」
言葉で書くと長いですよね。数式を使うと、これをシンプルに表すことができ
るのです。逆に言えば、シンプルな式の中に、これだけの意味が詰まっている
ということにもなりますので、そこがムズカシイところなのです。そして、そ
ういう部分は、なぜか教科書や参考書には書いてくれないんですよね…。もっ
とも、教員が教えればいいところでもあるんですけどね。そのために教員がい
るのですから!
─…─編集後記─…───…───…───…───…───…───…──
次の号から月曜日も発行日に加え、毎週月・木発行とします。毎回ボリュー
ムがかなりあるので、やや読みづらいかな?と思い、発行日を増やすことにし
ました。そう言いながらも、今回もボリュームたっぷりになってしまいました。
なるべくあっさりと分かりやすく書きたいのですが、文章力がないもので…。
では、次回は月曜日にお送りいたします。
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